カラダ探し

中は廊下よりも少し暖かくて、冷えた身体を包み込んでくれるような感覚が気持ち良かった。


「ふたりとも……奥に誰かいるよ」


室内を見回していた理恵が、その場所を指差して、私達にささやく。


理恵が指差したその先には、ゴソゴソとうごめく人影があったのだ。


ここからでは、あれが誰かがわからない。


身長から見ても、「赤い人」ではない事は確かだけど……健司だとすれば、ここで待ち合わせた事は最大のミス。


翔太達が来てしまったら、確実に殺されてしまうだろう。


ゆっくりと屈み、デスクの陰へと移動する私達。


まだ人影はこちらに気づいていない。


ここから、あれが誰なのかを特定できれば……。


そう思っていた時だった。









「あんた達、そんな所で何してんの?」


背後からかけられた声に身体がビクンと反応して、私は慌てて振り返った。


そこには……呆れたように私達を見下ろす留美子が立っていたのだ。


「ん? 留美子、何かあったか?」


大職員室の奥でうごめく人影が振り返って、手にした携帯電話の光を私達に向けた。


この声は……翔太?


「何もないよ。明日香達が隠れてただけ」