カラダ探し

残るは、大職員室。


生徒玄関の上に位置する、先生達の部屋。


でも、人が多いからか、各棟の職員室に籠る先生も少なくない。


「さて、最後の部屋だな。大職員室に一個、生産棟に一個、んで、旧校舎に一個で『カラダ探し』は終わりだ」


私と理恵に、ニヤリと笑みを浮かべてささやく高広。


問題は旧校舎だけど……それも、図書室の上の屋上から下りれば、西棟の屋上からよりも、危険は少なくて済む。


そして、放送室。


大職員室と生産棟のどちらか一方に無かった場合、何とかして乗り込むしかない。


それが終われば……やっと、この悪夢から抜け出せる。


でも、「カラダ探し」が終わって、もしも遥が生き返ったとしても……私達は遥を今まで通りに友達として見る事ができるのかな。


あんなに恐怖を与える頼み方ばかりされていたのに。


足音を立てないように、ゆっくりと歩きながら、私達は大職員室に向かった。


「よし、良いぞ。来い!」


大職員室の前の廊下を確認した高広が、私達に手招きをする。


どこで誰が聞いているかわからないから、足音を立てないように私達はその後に続いた。


大職員室のドアを開け、その隙間から身を滑り込ませる。