カラダ探し

翔太が書いた見取り図の中で、バツが書かれていない場所はそこだけど……。


「今、生産棟一階って言ったよね? 皆大丈夫かな?」


「翔太がいるから大丈夫だろ。いざとなったら、囮になってでも理恵と留美子は守るだろうし」


確かに「昨日」も、翔太が囮になっていたようだけど……二日続けてそれは、少しかわいそうな気もする。


かと言って、私達が行くのは無意味。


死者が増えるくらいなら、調べると言った部屋を調べた方が皆のためになる。


最近、私がずっと思っている事だ。


「じゃあ、すぐに調べよう。まずはトイレ、その後、隣の教室で合流ね。できるだけ物音を立てないように。話すのも禁止」


放送室だから、防音設備は整ってるだろうけど、中の人がどういう行動に出るかわからない。


もしも、ドアを少し開けていたりしたら、物音や話し声で気づかれる可能性があるから。


私達はゆっくりと、足音を立てないように階段を下りて行った。


足音を極力立てないように下りた二階。


素早くトイレに入った私は、フウッと息をついた。


壁にもたれて、目の前の手洗い場の鏡に自分の姿を映して。


夜の学校で、しかもトイレの鏡……。