だとすると、掃除用具の入ったロッカーとか、ゴミ箱の中とか。


暗闇の中、携帯電話の明かりを頼りに、ロッカーへと近づいた。


そして、ロッカーに手を伸ばしたその時だった。







「いやあああっ! やめて! 離れて! やだ……嫌だあああっ! あぎゃっ!!」






すぐそこで……理恵の悲鳴が聞こえた。


どうして理恵の声が…「赤い人」は翔太を追いかけていたんじゃないの?


翔太は……どうなったの?


死んだの?


それとも、もしかして理恵に「赤い人」を押し付けて?


そんな事を考えていた時。







「あ~かい ふ~くをくださいな~し~ろい ふ~くもあかくする~まっかにまっかにそめあげて~お顔もお手てもまっかっか~」






低い声で唄いながら……誰かがこちらに向かって歩いてきていた。







ペタ……。






ペタ……。