カラダ探し

もしも、中の人に私達がいる事を知られたら、「昨日」の私みたいに「赤い人」を呼び寄せられるかもしれない。


そう考えると、東棟の二階が一番危険な場所に思えた。


「じゃあ、また待ちか?今日はずいぶんのんびりだな」


「だって、仕方ないでしょ。私達のどちらかひとりは、大職員室に行かなきゃ、3人がここを調べに来るかもしれないじゃん」


そう、大職員室で合流して、どこまで調べたかを伝えないと二度手間になるのだ。


最悪、私か高広のどちらかが死んでもたどりつかなければならない。


「まあ、生産棟は教室が多いからな。少しくらい待っても大丈夫だろ」


そう言い、階段に腰を下ろす高広。


「赤い人」はしがみ付かれても、引きはがせるだけまだ良い。


健司がどこにいるのか……それが気になっていた。








『「赤い人」が、生産棟一階に現れました。皆さん気をつけてください』








校内放送が流れて、待ってましたと言わんばかりに立ち上がる高広。


あれから5分、なんだか今日は拍子抜けするくらい、「赤い人」に対する恐怖がないように思える。


「さて、今度こそ行くぞ。二階は、南側の二部屋と便所でいいんだろ?」