カラダ探し

三階に渡り廊下はないけれど、この屋上は東棟と西棟を行き来する事ができる唯一の場所なのだ。

でも、西棟の三階を調べた翔太が、そんな所を見落とすとは思えない。


「じゃあ、次の校内放送が流れたら、行けるかどうか調べようよ。『赤い人』がまだ西棟にいたら困るでしょ?」


「結局、待たなきゃならねぇのかよ」


ふたりで窓側の壁にもたれかかり、腰を下ろしてその時を待つ事にした。

シーンと静まり返った教室の中で、高広とふたり。


話す事が何もなく、ただ校内放送が流れるのを待っていた。










『「赤い人」が、東棟二階に現れました。皆さん気をつけてください』









私達が窓際に腰を下ろしてから、そんなに時間は経っていなかった。


「よし、行くか」

「赤い人」が移動して、立ち上がる私と高広。


これで三階は自由に動けるようになったけど、階下には「赤い人」がいる。


もしも、トイレと、一番南側の教室を調べている時に、三階に移動して来たら……私達は確実に追い詰められる。


それだけは避けたかった。