カラダ探し

こうしていると、二日目の事を思い出す。


「赤い人」が教室に入ってきて、机の上を飛び跳ねていた時の事を。


あれは二階だったけれど、こうしているとまた、「赤い人」が入ってきそうで。


まだ大丈夫だとは言え、少し不安はある。


あの時とは違う事があるから。


「健司はどこに行ったのかな。今日は声が聞こえなかったよね?」


この、健司が……山岡泰蔵という存在が厄介だった。


「さあな、叫ぶのに飽きたんじゃねぇか?」


そんなはずはないと思いながらも、私はそれを完全には否定する事はできなかった。


四つんばいのまま、その教室を調べ終わり、隣の教室に向かった。


東棟の三階、3部屋を調べ終わっても、まだ次の校内放送が流れない。


「赤い人」は、もう西棟の三階から移動したのだろうか。


もしも、屋上に出られていると、健司が調べたと推測される最後の教室に入る事自体が困難になる。


身を低くしても、上から見られていると意味がないから。


「そう言えばよ。この教室の横から行ける屋上はどうなんだ? そこに出られるなら、旧校舎に行くのも楽なんじゃねぇのか?」


高広が言っている屋上とは、ちょうど図書室の上に位置する、人工芝が敷かれた広場。