カラダ探し

「よし、北側の教室だな!」


三階に着いた私達は、階段の北側に一部屋だけある教室へと入った。


いつもここまでは順調。


問題は、最初の校内放送だ。


東棟三階、生産棟一階に「赤い人」が現れないように、私は祈りながら教室内を調べ始めた。


「高広、掃除用具入れとかゴミ箱を調べてよ。私は前の方を調べるからさ」


「わかった! 3分で終わらせるぞ!」


自分の前に、2つ机が見えるように、まずは前から二列目に入り、机の中を2つずつ同時に、次々と調べていく。


机の中だと、腕以外は入りそうにないから、カラダを探すのは思ったよりは楽かもしれない。


前から1、2列目の机の中を終わらせて、次に3、4列目に移る。


それと同時に、掃除用具入れとゴミ箱を調べ終えた高広も、5、6列目を調べ始めた。


「この教室にはねぇな……次にいくか?」


高広が言った通り、本当に3分で終わりそうな勢いだ。


校内放送もまだ流れていないし、この調子でいければ、今日で校舎を調べる事が可能に思える。


「うん、次にいこう」


調べる事に慣れたのか、それとも雑になっているだけなのか、ひとつの教室を調べ終わる時間は短くなっていた。