カラダ探し

「明日香、大丈夫か?」


「毎晩……こんなの嫌だよ。今日で終わりにしよう」


そう言い、私は高広の手を取った。


遥に「カラダ探し」を頼まれた後、おばあちゃんの家に着くまでに、いつ高広と遥が入れ替わっていたのかを聞いていた。


私の背後で、何かを踏みつけたような音が聞こえた時、すでに私の隣に遥がいたようで、その音を出したのが高広だと言うのだ。


そして、私の隣に誰かがいると気づいた高広が声をかけたけど、私は遥に手首をつかまれて走ったらしい。


高広が少し後ろを歩いていたのではなく、私が早足になっていたと、そこで初めて知ったのだ。


おばあちゃんの家に着き、そっと玄関を開けて家の中に入ると、留美子が今にも泣き出しそうな表情で、土間にしゃがみ込んでいた。


きっと、遥に頼まれたのだろうけど……その頼み方に恐怖したに違いない。


「る、留美子、大丈夫!?」


「明日香、大丈夫じゃないよ……日に日にひどくなるよ。遥の頼み方」


私の顔を見て、涙を目に溜める。


よほど怖い目にあったのだろう。


「ここ、ぼっとん便所なんだもん……おしっこして、パンツ上げようとしたら足首を誰かにつかまれてさ……見たんだけど何もなくて。顔を上げたら、目の前に遥がいたの……」