カラダ探し

「明日香!」


高広がそう叫び、私は手首を握られた。


そして、暗闇の中を走り出したのだ。


逃げても、逃げなくても同じだけど……高広が走るなら私も走らないと。





「ハァ……ハァ……」




まるで「赤い人」に追われているかのような不安が、私の全身を駆けめぐる。


ドクンドクンと、心臓から送られる血液に乗せて運ばれるように。


私達はしばらく走って、最初に見えた小屋の陰に倒れ込むようにして、身を隠した。


グイッと私は抱きしめられて。


でも……すぐ後ろを変質者か遥が走っていたなら、ここに隠れていても見つかるんじゃないの?


目を閉じて、抱きしめられたまま私はガタガタと震えていた。


私が怖がらないようにと、頭をなでてくれている。


でも……後ろを走っていた人物が私達に懐中電灯の光を向けたのだ。














「ハァ……ハァ……明日香、お前……誰といるんだ?」


そんな言葉が聞こえて、懐中電灯でこちらを照らしているのは……高広?


どうして、高広がそこにいるの?