カラダ探し

答えが中途半端なら、私達の距離も中途半端。


星空を十分に堪能した後、ひとり分の間を開けておばあちゃんに家に向かっていた。


漁師は寝るのが早いと聞いた事があるけど、ここから見える民家の半分以上が、照明を消して暗くなっている。


「暗いね……漁師の人達って、何時くらいに寝るの?」


「ん? 俺のじいちゃんが生きてた時は、20時には寝てたかな?」


高広の言葉に、私は携帯電話の時計を確認した。


時間は……21時01分!?


「えっ!どうしよう、遥が来る時間だよ!」


「そんな時間かよ……」


今日は、遥はどこから来るのだろう。


外を歩いている時に、遥に頼まれた事は一度もない。


だから、どこから来るのか……まったく予測できなかった。


「どこから来るんだろ……どうせなら、もう普通に来てほしいんだけど」


私がそう言った時だった。







ジャリッ……。


私と、隣を歩く高広の真後ろで、石を踏むような音が聞こえた。


もしかして……私達の後ろにいるのが遥?


私が振り返れば、遥はすぐに「カラダ探し」を頼んでくるだろう。


でも、もしかすると、変質者という可能性だってある。


遥なら、逃げても時間が来たら頼みにくるのだから、変質者の可能性も考えて逃げた方がいい。