カラダ探し

皆が言うには、高広も私の事が好きみたいだけど、私のどこが良いんだろう。


幼なじみなら、理恵の方が性格も良いと思うし、胸も大きい。


私が理恵に勝ってる所なんてないのに。


そんな事を考えてみても、高広の口からその言葉を聞くまではわからない。


もしかすると、全然別の話かもしれないし。


「俺が知ってる中で、ここが一番暗い場所なんだ。見てみろよ、空を」


高広が指差したその先には……満天の星。


月もまだ出ていない夜空は、星の光がきれいに見える。


その光景に、私は言葉を失った。


「昔来た時は夏だったから、星はもっと多かったけど、今もまだ良く見えるだろ?」


「え? 星の数なんて同じでしょ?」


「バーカ、夏は銀河系の中心部分を見ているから、冬よりも見える星の数が多いんだよ。後はだな……」


意外だった……バカな高広が、そんな事を知っているなんて。


その後も、しばらく高広の宇宙の話が続き、私はそれをずっと聞いていた。


勉強はできないのに、どうしてこんな事を知っているのかと思うくらい、私が知らない事を教えてくれる。