カラダ探し

まあ……本人達にそのつもりは全然ないだろうけど。


「こういう気分転換も良いよね。私達、ずっと『昨日』を繰り返してるから、同じ日を作らないようにしないとね」


理恵も私と同じ事を思っている。


私達は、同じ「昨日」を繰り返しているけれど、どの「昨日」も私達の行動ひとつで違うものになる。


それは、私達の精神状態を悪化させないためには必要な事で、留美子や高広といった、思うままに行動する友達がいるという事は、考え込んでしまう私にとってもありがたい。


今こうして海を見ているように、私では思いつかない事を実行してくれるから。


「『カラダ探し』が終わったら、また皆で来たいね」


そう言って笑顔を見せた理恵に、私は小さくうなずいた。


3人で海を見ながら数時間。


私達の身体は完全に冷え切っていて、おばあちゃんの家に着いた時には風邪をひくかと思ったほどだった。


留美子はおばあちゃんにべったりくっついていたようで、一緒に晩御飯を作るくらい気に入ったらしい。


その晩御飯をいただき、気づけば外はもう真っ暗。


時計の針は、7時半を指していた。


「明日香、ちょっといいか?」


背後から高広に声をかけられて、私は振り返った。


「どうしたの? 話なら、ここで聞くよ。コタツっていいよね」