カラダ探し

「まあまあ、ほら高広、早くおばあちゃんの家に行こうよ。そのために来たんでしょ?」


「え? あ、あぁ……」


ふたりが喧嘩を始める前に、この場を離れないと。


きっと高広は「昨日」、健司のおばあちゃんと話をして、ここに来たいと思ったのだろう。


それに、高広のおばあちゃんを見れば、留美子だって機嫌が良くなるはず……。


「ったく。する事がねぇっつーから、提案しただけだろうがよ……」


まあ、高広が言うように、海には違いないし、いつもとは違う場所にいる事が気分転換にもなる。


どこにいても……時間が来たら、問答無用で学校に呼び寄せられるのだから。






「あらあら高ちゃん、よう来たねぇ。お友達をいっぱい連れて」


高広のおばあちゃんの家に着いた私達は、そのおばあちゃんの出迎えを受けた。


家を見た時は、留美子があからさまに嫌そうな顔をして「あばら家」の烙印を押したほどだったけど、高広のおばあちゃんを見て、笑顔がこぼれていた。


「やばい……このおばあちゃんかわいすぎる……」


プルプル震えながら私達を家に上げてくれる、小さくて顔の丸いおばあちゃん。