「高広!! 今日も寝てるのかよ!!」


昨日とは違い、高広の足を思い切り蹴とばす翔太。


そこまでする必要はないのに、よほど腹が立ったのだろう。


「いってぇ! 誰だ!? てめぇか? 翔太ぁ!!」


目をこすり、辺りを見回して、ゆっくりと起き上がり、翔太に詰め寄る高広。


その表情は、怒りに満ちていた。


「馬鹿かお前は!! 状況を考えろ!!」


翔太はそう叫ぶけど……それは、あまりにも高広がかわいそうだ。


不安や、嫌な事があったら、私も眠りたい事がある。


それなのに、あんな起こされ方をしたら、怒るのも無理はない。


「ちょっと、翔太! 今のはひどいよ!! 寝てても仕方ないでしょ! 高広も、もう怒らないでよ……皆で協力しなきゃ、いけないでしょ!?」


私は思わず、ふたりの間に割って入った。


正直、そのやり取りにイラついたから。


「チッ……明日香が言うなら仕方ねぇな……」


高広がそう言った時だった。





玄関のドアが、私達の目の前で、開いたのだ。
二回目の「カラダ探し」が始まった。


「始まった……皆、走るぞ! 急いで『カラダ』を探すんだ!」