そう思い、廊下の北側を向くと……階段の近くに「赤い人」がいたのだ。
私に気づいたのか、その場で立ち止まり、ゆっくりと顔を上げる。
「美子、私はここにいるよ!」
ニヤリと、不気味な笑みを浮かべて私を見る「赤い人」。
もう、振り返る事はできないし、後戻りもできない。
動き出す前に階段まで行かなければ、足の遅い私はすぐに追いつかれてしまう。
だから……私はもう、駆け出していた。
階段に足をかけた時と同じくらいのタイミングで、「赤い人」が動き出す。
私には、体育館で足をつかまれた苦い経験があるから、それだけが怖い。
階段の下の方でつかまれてしまえば、ここから引き離す事もできずに死んでしまうから。
「キャハハハハハハッ!」
「赤い人」が、私の背後に迫ってくる。
急いで階段を駆け上がっているけど、まだ追いつかれていない。
二階に到着した私は、できるだけ遠くに……工業棟辺りまで行けたらと思っていた。
私に気づいたのか、その場で立ち止まり、ゆっくりと顔を上げる。
「美子、私はここにいるよ!」
ニヤリと、不気味な笑みを浮かべて私を見る「赤い人」。
もう、振り返る事はできないし、後戻りもできない。
動き出す前に階段まで行かなければ、足の遅い私はすぐに追いつかれてしまう。
だから……私はもう、駆け出していた。
階段に足をかけた時と同じくらいのタイミングで、「赤い人」が動き出す。
私には、体育館で足をつかまれた苦い経験があるから、それだけが怖い。
階段の下の方でつかまれてしまえば、ここから引き離す事もできずに死んでしまうから。
「キャハハハハハハッ!」
「赤い人」が、私の背後に迫ってくる。
急いで階段を駆け上がっているけど、まだ追いつかれていない。
二階に到着した私は、できるだけ遠くに……工業棟辺りまで行けたらと思っていた。