カラダを見つけたかったけれど、ここにないのなら、こればかりは仕方がない。


「そうだね、次の部屋に行こうか」


そう答えて、私は隣の第二実習室へと向かった。


皆が死んでいないという事を信じて。


その後、第二実習室を調べたけれど、カラダは見つからなかった。


最後の一部屋、機械工作室にもなくて、私達は工業棟を調べ終わったのだ。


この間約30分。


あれから一度も校内放送が流れていない。


と、いう事は、考えられる可能性はひとつ。


誰かが囮になって、「赤い人」から逃げ続けているのだろう。


こんなに長い時間、校内放送が流れなかった事は、今までに一度しかなかったから。


さすがに、ここまでではなかったけれど、三日目に、翔太が「赤い人」を引き付けていた時くらいしか。


「ここにはやっぱりねぇな。明日香、どこに行く?」


後はどこが残っていたかな……。


翔太が探してない部屋を書いていたけど、全部を覚えているわけじゃない。


必死に考えて、確実に残っている場所をひとつだけ思い出した。


「西棟の一階って、まだじゃなかったかな?」