でも、高広自身は良くわかっていないようで、ザックリとした話はこうだった。


山岡泰三は事件の犯人ではない。


予想通り、真犯人に「小野山美子」殺害の罪を着せられて、殺された。


その犯人は……恐らく、山岡雄蔵。


犯人に仕立て上げられた泰蔵の弟だ。


詳しい事は翔太にでもきくしかない。


でも……おばあちゃんが持っていたあの写真は、皆満面の笑みを浮かべていて、仲が悪かったようにはとても思えなかった。


「つまり、健司のおじいちゃんが、お兄さんを殺したって事だよね? だから、健司があんな風になっちゃったのかな……」


「さあな、それより早く調べろよ。手が止まってんぞ」


話しながらも、高広はもう半分くらい調べ終わっている。


慌てて棚に向かった私は、そこを調べながらも、なぜふたりが殺害されなければならなかったのかが気になっていた。


そして、そう考えながら棚を調べ終わった時だった。










『「赤い人」が、生産棟三階に現れました。皆さん気をつけてください』









校内放送が流れた。