危険だけど、私達は一番南側の部屋から調べる事にした。


まだ校内放送は流れていないから、そのわずかな時間で、危険な場所を少しでも探せるなら。


「なんか、ずいぶん殺風景な部屋だね」


第一実習室と書かれたその部屋は、木製の大きな机が6つ置かれているだけで、他には棚があるだけ。


私のベッドくらいの大きさがあるその机は、無数の傷が付いていて、不気味な雰囲気が漂っている。


触ってみると、ザラリとした木屑が手に付いた。


「二階の実習室もこんな感じだったぞ。まあ、探すには楽な部屋だな」


そう言って、窓側へと歩を進める高広。


教室の後ろにある棚を、窓側から調べるつもりなのだろう。


だったら私は、廊下側から。


高広の言う通り、整理された棚は探しやすい。


これなら、すぐに次の部屋に移れそうだ。


「そう言えば、八代先生と話をしたんでしょ? 何か進展はあったの?」


「んー、そうだな。『カラダ探し』の事じゃねぇけど、事件の事についてなら、わかったんじゃねぇかな? 翔太と先生の推測らしいけどな」


あの事件の真相がわかったの?


私は思わず手を止め、高広の方に目をやった。


高広の話だと、18時頃に健司のおばあちゃんの家に行ったみたいで、その時に、翔太と八代先生が結論を出したようだ。