でも、寝息を立てているわけでもないから、まどろんでいるくらいなのかな……。


こんな事を考えている間にも、遥が来る時間が迫っている。


例え、眠れたとしても、高広くらい神経が図太くないと、遥に起こされてしまうだろう。


それくらいの事はしてくるはずだから。


「理恵、今日も頑張ろうね。残り三つだから、すぐ見つかるよね」


「うん、もうすぐ……終わるよね」

理恵がそう答えた時だった。


私の足を……誰かの冷たい手がつかんでいる感触があったのだ。


遥が……来たの?


時計を見ていないから、だいたいの時間しかわからない。


でも、もう来てもおかしくはない時間だ。


足を握る手は、ひんやりと冷たくて……それが、少しずつ上に上がってくる。


まるで、私の身体の上をはっているかのように、冷たい手が。


「明日香、遥が……助けて!」


「そ、そんな事言われても……私の所にも来てる!」


結局、皆の所に来るんだから、私が助けられるはずがない。


ゆっくりと、私の身体を押さえ付けるようにはい上がってくる遥。