「昨日」の頼み方なら、どこで何をしていても同じだ。


例え、お風呂に入っていても、食事をしていても、変わらない恐怖を私達に味わわせるはずだから。


「健司じゃないけど、いつかおかしくなりそうだよね……八代先生の部屋もひどかったし」


「あんなの普通の人の部屋じゃないよ……八代先生も、健司もさ」


そう言って留美子は、理恵が寝ている布団の中に潜り込んだ。


私も、その中に入って眠ってしまいたかった。


私達はベッドで休んだ後、食事とお風呂を済ませて、遥が来る時間までに寝てしまおうと、3人で布団の中に入って目を閉じていた。


遥が来るまでに、もうそんなに時間はない。


こうして目を閉じていると、今、高広は八代先生とどんな話をしているのかを想像してしまう。


遥が六割、高広が四割……。


何も考えずに目を閉じればいいんだけど、どうしても考えてしまって……。


恐怖と安心という、対極をなす感情に、私の心はフラフラと揺れている。


理恵も留美子も、もう寝ているのだろうか?


「ふたりとも、寝た?」


ささやくように訪ねてみると、理恵は「眠れない」と返事がある。


留美子は返事がない。