「小学生の頃から見てたんだ……嫌いじゃないなら、時間までボーッとしてようよ。『カラダ探し』をさせられてから、何かしなきゃって思って、のんびりする時間もあんまりなかったしさ」


小学生の頃から……私の事を好きでいてくれたのかな。


だったら、私は本当に鈍感なのかもしれない。


「そうか、じゃあ、ボーッとするか」


そう言った高広は、大きなあくびをして、私を見て笑った。


それから、高広とは特に話もせずに、放課後が迫ってきたから、私達も帰る事にした。


高広は学校に、女子は今日も私の家に。


理恵の家は親がうるさいらしく、留美子の家は部屋が散らかってるという事で。


途中で高広と別れ、私達3人になったとたん、留美子と理恵の質問攻めが始まった。


「高広と何を話したの?」


「どうなの? 付き合うの?」


「高広は明日香の事を好きって言ってた?」


答える暇もないくらいに、たずねてくるふたりに、私は笑顔を向ける。


「何も話さなかったよ。ふたりでボーッとしてただけ」


私がそう言うと、あからさまにつまらなさそうな表情を浮かべる留美子。


「なんでよー。私達がせっかくチャンスを作ってあげたのに!」