「お前……死んだ事ないだろ? 折れたってのは、この足か? あぁ!?」


そう言い、留美子から滝本を引きはがすと、その足を思いっ切り踏み付けたのだ。


歩くとカツカツと音が聞こえる、とても硬い高広の靴底。


高広が踏み付けた滝本の足から、ボキッという何かが折れたような音が聞こえた。




「ぎゃああああっ!! 足が! 足があああっ!」



本当に骨が折れたのだろう。


地面に倒れ、足を押さえてゴロゴロと転がる滝本。


「足が折れてたんだろ? 本当に折れて良かったじゃねえか。それで? 理恵をやったのは誰だ? お前か?」


滝本がのたうちまわる姿を見て、慌てふためく取り巻きに詰め寄り、有無を言わさず腹部に蹴りを入れる。


そして、腹を押さえてかがんだ取り巻きの後頭部に、上から叩きつけるようなパンチを見舞って、男は前のめりに倒れこんだ。


「つまんねぇな。お前はどうすんだ? あぁ!?」


残ったひとりをにらみつけた高広。


すると、それに恐怖したのか、男は何も言わずに慌てて逃げていったのだ。


そして、再び滝本に近寄り、しゃがんでその金髪をつかみ、上体を引き起こした高広。


「俺達はな、もう7回死んでんだよ! 殺すなら殺してみろや!」


そう言い、滝本の鼻に頭突きを食らわせた。