翔太は簡単に言ってくれるけど……きっと、あのメールはそんな事に関係なく入ってくるに違いない。


そして、メールを開くまで「無視するな」という短い文章が送られ続ける。


そう考えると、気がめいってしまう。


「カラダ探し」の最中に、もしも、また「赤い人」に出会ったら、振り返ってはならない。


振り返らずに逃げなければならないのだ。


また、死んでしまったら、あの痛みと苦しみを味わう事になる。


「カラダ探し」では、死んでも死ねないとは、こう言う意味なのだと……やっと理解できた。


話をしていても何も解決しないと判断した私達は玄関に移動することにした。


「カラダ探し」が始まって、最初の動きを決めておこうと翔太が提案したから、どうすれば良いかわからない私達はそれに従うしかなかった。


「いいな、『カラダ探し』が始まったら、男子と女子で分かれよう。俺達は玄関を入って左の西棟、留美子達は右の東棟、どこにあるかわからないけど、ひとりが1フロアを調べれば、すぐに終わるさ」


玄関を出た所で、私達に説明する翔太。


確かに分かれた方が、探し物を見つけるには良いと思うけど、翔太は大事な事を忘れている。


「『赤い人』が出たらどうするのよ……それでも探せって言わないよね?」