「どうだったって……カラダを見つけて、健司にふたりとも殺されて……」


「あーもう! そっちじゃないって! ふたりっきりだったんでしょ? 何かあったんじゃないの?」


今日の朝、留美子に言われるまで高広の気持ちに気づかなかったのに、昨夜そんな事を考えているはずがない。


それに、そういうつもりがなかったにしても、手をつないで、抱きしめられたなんて言ったら……。


留美子がどれだけ騒ぎ立てるか。


「え! なになに? 明日香と高広って、そんな関係なの?」


理恵もまた、目を輝かせて私を見つめる。


留美子だけだと思ったのに……理恵まで。


「何もないって! 一緒にいただけで、そんな事を言われたら、『カラダ探し』なんてできないじゃん」


ふたりから顔をそらして、ごまかした時だった。


テーブルに置いた携帯電話が鳴り、画面に「高広」と表示される。


「ちょっと! なんでこんな時に……」


それは、高広からのメールだったけれど、慌てて携帯電話を取った私を見て、ふたりはニヤニヤと笑みを浮かべていた。


もう! 普段はメールなんてほとんどしないのに、どうしてこんな話をしている時に、その本人がメールしてくるのよ!