今までは話があったり、放課後に予定があったから学校に残っていたけど、もうここまで来たら私達ができる事は何もない。


そう考えている留美子の意見には、私も賛成だった。


「でもさ、なんか不思議だよね。私達、『カラダ探し』なんかさせられなかったら、こうやって3人で遊ぶ事なんてなかったよね」


「あ、私もそれは思う。明日香とは仲が良いけどさ、留美子とはグループが違ったもんね。少し苦手だったけど……」


留美子と理恵の会話を聞いてると、なんだか微笑ましい。


クラスでもあまり話をしなかった皆が、こうして仲良くなって。


「カラダ探し」がなければ、お互いを誤解したまま学校生活を送るかと思ったら、ひとつだけでも得るものがあったのは、素直にうれしかった。


「それで、遊ぶって何するの? この前みたいに高いお店でご飯食べるの?」


「うーん、それもいいけどさ、カラオケ行かない? この前はそんな余裕なかったけど、カラダも残り3つだし、昼間は余裕あるじゃん?」


留美子の言う通り、「カラダ探し」が始まった時と比べると、心に余裕ができた。


「赤い人」が現れても、高広がやってた対処法もあるし、着々と調べ終わった部屋も増えているから。