「なんか、おばあちゃんの話だと違うみたいなの。山岡泰蔵は子供が大好きで、バラバラ殺人なんかできるような人じゃなかったって。優しい人だったって言ってたよ」


「……どういう事だよ。その話が本当なら、他に真犯人がいるって事だろ? 50年以上前の事件の犯人なんて、わかるわけないだろ……」


そう言いながら、頭を抱えて空を見上げる翔太。


その気持ちは私にもよくわかる。


でも、翔太にわからない事を、私がわかるはずがない。


「それに、山岡泰蔵は自殺したんじゃなくて、真犯人に罪を着せられて、殺されたんだと思うの」


「もう、わけがわからない……とりあえず八代先生には、放課後の予定を空けてもらったけど。その時に考えるよ」


フウッと溜め息をついた翔太は、考え通しで疲れているように見えた。


放課後に、八代先生の家に行くのは翔太と高広に任せて、私達は別行動をさせてもらう事にした。


「昨日」もそうだったけど、私達が寝てから話をするのなら、いてもいなくても同じだと思ったから。


調べる場所とメンバーは同じ。


「じゃあ、私達遊びに行ってくるわ。放課後まで待つ必要ないし」


留美子のその言葉で解散となり、私達は学校を抜け出して街の方に向かっていた。