階段を上りながら、留美子が私を見ながら言った。
まあ、それはそうかもしれない。
私達は、警察でも探偵でもないのだから。
状況から、事件の真相を予想する事しかできないのだ。
「そう言えば明日香、夜に健司と会った時、美子ちゃんがどうとか言っていたよな?」
確かに、健司はそう言っていた。
健司が美子の事を知っているはずがないのに、その名前を出したから、よく覚えている。
「言ってたね。健司は知らないはずなのに」
「もしかしてよぉ、健司に取り憑いてるのは……山岡泰蔵なんじゃねぇか?」
突然の高広の言葉に、私は考えさせられた。
泰蔵は子供が大好きで、美紀や美子とも仲が良かったに違いない。
だったら、美子のために服を赤くしようとするのもわかる。
死んでなお、美子のためにそこまでしようという人間が、美子を殺したとは、私はどうしても思えなかった。
屋上に着くと、案の定、翔太と理恵がそこにいた。
ふたりも私達に気づいたのか、柵にもたれていた翔太が、こちらに向かって歩いてくる。
「どうだった? 健司の様子は」
翔太の言葉に、まず何から答えるべきなのか。
「健司は……なんか変になってたかな。家具を壊して部屋が真っ赤になってたし。怯えてるみたいだったよ」
まあ、それはそうかもしれない。
私達は、警察でも探偵でもないのだから。
状況から、事件の真相を予想する事しかできないのだ。
「そう言えば明日香、夜に健司と会った時、美子ちゃんがどうとか言っていたよな?」
確かに、健司はそう言っていた。
健司が美子の事を知っているはずがないのに、その名前を出したから、よく覚えている。
「言ってたね。健司は知らないはずなのに」
「もしかしてよぉ、健司に取り憑いてるのは……山岡泰蔵なんじゃねぇか?」
突然の高広の言葉に、私は考えさせられた。
泰蔵は子供が大好きで、美紀や美子とも仲が良かったに違いない。
だったら、美子のために服を赤くしようとするのもわかる。
死んでなお、美子のためにそこまでしようという人間が、美子を殺したとは、私はどうしても思えなかった。
屋上に着くと、案の定、翔太と理恵がそこにいた。
ふたりも私達に気づいたのか、柵にもたれていた翔太が、こちらに向かって歩いてくる。
「どうだった? 健司の様子は」
翔太の言葉に、まず何から答えるべきなのか。
「健司は……なんか変になってたかな。家具を壊して部屋が真っ赤になってたし。怯えてるみたいだったよ」