「明日香、何あのおばあちゃん。超かわいいんだけど!」


私の身体を揺すりながら、イケメンだった頃の八代先生を見た時みたいに、キャーキャー騒ぐ留美子。


「よ、良かったね。でも留美子の家にもおばあちゃんいるでしょ?」


「あー、うちのはダメだよ。うるさいだけで、かわいくないもん」


おばあちゃんは、かわいいだけがすべてじゃないと思うけど……。


知らない所で、孫に悪口を言われているとは、夢にも思っていないだろう。


高広はと言うと……タンスの上を、埋めるように飾られた写真を熱心に見ている。


出されたお菓子を口に運びながら。


そして、その中のひとつを手に取り、訝しげな表情で首を傾げたのだ。


「さあさあ、ジュースを持ってきたでよ」


おばあちゃんが、お盆に缶ジュースを3つと茶瓶を乗せて、笑顔で部屋に入ってきた。


高広は、手に取った写真立てを持ったまま私の隣に座る。


「おばあちゃん、ありがとう」


留美子もまた、笑顔でおばあちゃんから缶ジュースを受け取った。


しかし、高広はジッと写真を見つめたまま。