もうひとつの部屋を見終わって、廊下を歩いていたら……奥から留美子が首を横に振り、歩いてきたのだ。


「こっちはダイニングキッチンだったよ。二階に行ってみようか」


次に二階を指差す留美子。


一階を調べるのに3分もかかっていないから、二階にいる高広も、もう調べ終わっているかもしれないけど、私達を呼びにくる様子はない。


つまり、健司の部屋を見つけたけれど、何かしらの理由があって私達を呼んでいないという事?


まさか、健司を殴ってたり、健司に殺されていたりという事はないと思うけど……なんだか嫌な予感がする。


私と留美子は、高広がいる二階へと上がっていった。


二階に上がった私達は、廊下の一番奥にいた高広の姿を見つけた。


でも、何だか様子がおかしくて、ドアを開けた部屋の前で、その中を見つめて立ちつくしていた。


「高広、何してるの? 健司の部屋はそこなの?」


ボーッと中をのぞいている高広に近づいて、留美子がポンッと肩を叩いた。


そして……部屋の中を見た留美子もまた、その動きを止めたのだ。


ふたりとも、何をしているのだろう?