なんだか拍子抜けの私達。


これは、健司が中にいるから施錠していないという事なのか、それとも、他に誰かいるのか。


どちらにしても、それを確認しなければならない。


「こんにちはー! 誰かいませんかー!?」


留美子がそう叫ぶも、返事はない。


シーンと静まり返る屋内に、健司もいないのではないかという心配をしてしまう。


「とりあえずあいさつはしたんだからよ、上がろうぜ。俺は二階見てくるから、お前らは下を見てくれよ」


そう言って、二階への階段を上がる高広。


人の家に勝手に入るのは気が引けたけど……これは仕方のない事だと言い聞かせて、私と留美子は近くの部屋のドアを開けた。


私達が最初に開けたのは、洗面所のドアだった。


「カラダ探し」じゃないから、チラッと中を見るだけで良い。


私達は、健司の部屋を探しているだけだから。


「手分けした方が早いね。じゃあ、私は奥の部屋から見てくるわ」


と、廊下の奥を指差して、歩いていく留美子。


そんなに広い家じゃないし、日中だから、「カラダ探し」とは比べものにならないくらい気が楽だ。


ただ、ドアを開けて閉めるを繰り返すだけの単純な作業。