突然背後から抱き付いてきたのは留美子。


さっきの事もあってか、後ろから来られるとビクッと反応してしまう。


いや……待って?


私と留美子は反対の方に逃げたのに、どうして留美子も頼まれたの?


「留美子、私も……遥に言われたんだけど……」


私のその言葉に、ゆっくりと腕を離す留美子。


「ちょっと待ってよ……あり得ないって。明日香と私の前に現れたわけ? 遥がそんなに足が速いわけないじゃん……」


そんな事を私に言われても……。


とにかく、教室に戻って、皆の話を聞くしかなかった。




教室に戻ると、皆はすでに集まっていて……結局は、皆の所に遥が現れて「カラダ探し」を告げられたらしい。


それこそ、校舎のあちこちに散らばるように逃げたのに、同時に6ヶ所に遥が現れた事になる。


そんな話をしているうちに、授業が始まったけれど、とてもじゃないが授業の内容が頭の中に入らない。


もともと、昨日の授業が繰り返されているだけだから、考える時間ならいっぱいあった。


紙に書いたメモを、留美子や理恵に回しながら、今日の「カラダ探し」について連絡を取る。


メールでも良いけど、留美子はマナーモードにしていない可能性が高いから。