まあ、そう簡単に見つかるとは思っていないけど、調べ終わった部屋にカラダが無いと、少しガッカリする。


「残念だね。じゃあ、次の部屋に行こうか?」


「そうだな、でもその前に便所に行きてぇ。ついでに調べようぜ」


トイレ……遥の一件から、あまりひとりでは行きたくない。


いつもは留美子や理恵が一緒だったから、付いてきてもらってたけど。


高広と一緒じゃあ、そういうわけにもいかない。


「トイレを……ひとりで探すの?」


「あ? 当たり前だろ? 男子便所と女子便所があるんだからよ」


うん、高広の言ってる事は正しいんだけど……。


トイレに行くって聞いたら、なんだか私もしたくなってきた。


「もう! 高広がそんな事言うから、私もトイレに行きたくなったじゃない!」


「お、俺のせいかよ……」


ますます高広に付いてきてもらうわけにはいかなくなった状況に、私は溜め息をついた。


工房を出て、すぐにあるトイレに入って私は用を足した。


下着を上げて、スカートを整える。


携帯電話のあかりで、洋式トイレの個室を照らして見てみると、工業科に女子がいないせいか、私達がいつも使っているトイレと比べると、かなりきれいだ。