「ごちゃごちゃしてるね……もっと整理すればいいのに」


なんだか良くわからない機械も置かれていて、どう扱っていいのかもわからない。


「あー、じゃあ、こっちは俺が調べるから、明日香は職員室を調べてくれ」


そう言って、高広が指差した先。


工房に入って左にある、工房とつながった部屋がそこにはあった。


こっちの工場みたいな部屋に目がいって、私はその部屋に気づかなかった。


「あ、職員室なんだ。わかった、そっち調べるね」


良かった。こんな、わけのわからない部屋よりも、職員室の方がずっと良い。


窓から射す、柔らかな月の光に照らされて、不気味に浮かび上がるデスクやロッカー。


でも、この程度の不気味さなら、もう慣れた。


残るカラダは、頭部、左腕、左胸、左脚の4つ。


それらが入りそうな場所だけを調べる事にした。


デスクの引き出し、ロッカー、金庫、テーブルの下と、探せる場所は全部探した。


けれど、この職員室にカラダは無く、工房の方を探している高広も、あと少しで調べ終わりそう。


結局、この部屋にもカラダは無さそうだ。


「ねぇな……この部屋はハズレか」


フウッと溜め息をつき、立ち上がる高広。