それを察したのか、高広が私の頭をなでてくれていた。


昔は、私が泣いていると、高広がこうして頭をなでてくれた。


あの時と何も変わっていない。







「お手てをちぎってあかくする~」








なんて、そんな感傷に浸っている場合じゃない。


もう、かかっている作業服も少なくなっているようで、投げ捨てる速度が早くなっていく。


「からだをちぎってあかくなる~あしをちぎってもあかくなる~」


もう、作業服も無くなり、恐らく最後であろう作業服をつかんで……そして、それを引きちぎったのだ。


しばらく訪れる沈黙。


その後……。











「あかがつまったそのせなか~」










再び唄い出して、部屋の中をウロウロしているのだろう。


声が右に左に移動して……そして、更衣室を出ていったのだ。











「わたしはつかんであかをだす~」