理恵も、翔太に起こされて、眠そうに目をこすっていた。


「今日、調べる場所はわかってるな?」


翔太の言葉にうなずいて、私は高広の方に歩く。


思えば、高広とずっと一緒に行動した事は一度もない。


健司ともないけど……あれから一緒に行動したいとは思えないし、今はこんな状態だ。


「昨日」の高広みたいに、知らない間に殺されるのは嫌だから、一緒に行動しようとは思わない。


「高広、今日はよろしくね」


「おぅ、それより見ろ、健司を」


そう言って、指差した先にいた健司は……ニヤニヤと笑っていたのだ。


「昨日」まで異常だった健司が、今夜になって正常に戻ってるわけがない。


だから、このニヤニヤした健司は、まだおかしいままなのだ。


「健司はここに置いていくぞ。何かするってなら、勝手に入ってくるだろ」


私達が八代先生の部屋を離れてから、何か話したのだろうか?


それとも、「昨日」の事が尾を引いていて、関わり合いになりたくないだけなのか。


どちらにしても、私も今の健司には関わりたくない。


「うん、そうだね。しばらく様子を見ないとね」


この際健司は無視して、カラダを探す事を優先すればいい。