「ねえ、明日香……私のカラダを探して」








無表情のまま、私にそう言ったのだ。


遥が、いつものように「カラダ探し」を頼むと、私を包んでいた空間が、ハラリと私をなでるように崩れ落ちた。


それが、異常に伸びた、遥の髪の毛だったと理解したのは、もう少し経ってからだった。


私達は、何も変わらずに布団の上にいた。


馬鹿みたいに、3人でポカンと口を開いて。


もう、恐怖なんてものじゃない。


気を失ってしまいそうで声も出なかった。


そんな私達の耳に、ドタドタと誰かが廊下を走って来る音が聞こえる。


誰が走っているんだろう?


「キ、キミ達! 大丈夫か!?」


慌てた様子で、部屋に飛び込んで来たのは八代先生。


私達を心配して、走ってきたという事は、高広や翔太にも同じ事が起こったのだろう。


でも、それを端から見ていた八代先生の目には、どう映ったのだろう?


先生も、遥を見たのかな?


「こっちもか! 皆、僕の声が聞こえているかい!?」


私達の目の前で手を振る八代先生の姿に、ハッと我に返る。


「あ……八代先生? 今、『カラダ探し』を……」