「あーあ、もったいないよねぇ。八代先生、イケメンだったのに……」


卒業アルバムの写真の事を言っているのだろう。


ガッカリした様子で溜め息をつく留美子。


八代先生が「カラダ探し」を終わらせるのにかかった歳月は五年。


周りの人にしてみれば、たった一日で八代先生と、一緒に「カラダ探し」を行った人達は、五年分の年を取った事になる。


もしかすると、私達が知らないだけで、まだ何十年も「カラダ探し」を行っている人達だっているかもしれない。


そう考えると、まだ七日目の私達は幸せな方なのだ。


「確かに、ちょっと不気味になっちゃったね」


「ちょっとどころじゃないじゃん! もうホラーだよ、あの顔は!」


賛同した理恵に、さらにかぶせるように文句を言う留美子。


元が元だけに、あの変貌ぶりにはショックを受けたのだろう。


なんだか、八代先生がかわいそうに思えた。


「それよりふたりとも、もう遥が来る時間だよ」


携帯電話の時計を確認して、ふたりの顔を見る私。


「もう、どうでもいいよ。どうせ来るのがわかってるんだからさ、普通に来いっての!」


そう、留美子が怒ったように言った時だった。
突然、フッと視界を奪うように、私の周りから明かりが消えたのだ。