ソファに腰かけて、ノートを眺める翔太。


いくら頭を悩ませても、美子の「呪い」が解けるわけじゃない。


「そろそろ21時か……夜のために、もう寝ておいた方が良いね。女の子3人は僕の後に付いてきて。布団を用意するよ」


と、時計を眺めた八代先生が立ち上がり、私達に手招きをする。


そして、二つ隣の部屋に移動して、押し入れから布団を三組出してくれた。


「少しほこりっぽいかもしれないけど、許しておくれ」


テレビも何もない、殺風景な和室。


私達はその部屋に布団を敷き、お言葉に甘えて寝る事にした。


「じゃあ、キミ達とはこれでお別れかな? また、今日の僕を訪ねると良い。友達の異変については、あの眼鏡の生徒と考えてみるから、安心して眠っておくれ」


そう言って、部屋を出ていく八代先生。


私は布団の上に座り、遥の事を考えていた。


「昨日」みたいに騙されて、恐怖を味わうくらいなら、普通に頼まれた方がマシな気がして。


私達は雑談をしながら、その時を待っていた。