先生はそう言うけど……私達は確かに今日を繰り返す。


でも、先生の「明日」はどうなるんだろう?


先生の明日には、私達が変わらずにいて、何事もなかったように過ぎていくのだろうか?


それとも、先生の明日には私達はいなくて、記憶が欠落したように日が過ぎていくのか。


それは、たずねてもわからないだろう。


先生は、今日までの事を知っていても、明日の事なんてわからないのだから。


「しっかし……翔太はまだ考えてんのか? 何を考える事があるんだよ」


食事まで寝ていた高広が、目の前のテーブルに置かれたピザを口に運びながら、ノートとにらめっこをしている翔太にたずねた。


「歌と服のつながりはわかった。でも、なぜ姉妹が喧嘩をした後、妹の美子が殺されたのか……それがわからない」


「んなもん、わかるわけねぇじゃねぇか。それがわかっても、『カラダ探し』が終わるわけじゃねぇんだろ?」


高広の言う通りかもしれない。


いくら、美子と美紀の事がわかっても、「カラダ探し」が終わるわけではないのだから。


それに……遥が来る時間も、刻一刻と迫っていた。


「美子が白い服、美紀が赤い服を着ていたけど、ふたりとも赤い服が欲しくて喧嘩をしたんだ。だから美子は赤い服にしたくて、血で染めている。歌と、このノートからわかるのはそれくらいか」