留美子も、ムスッとした表情を浮かべながらもうなずく。


「じゃあ、次はこれだ」


そう言いながら、後ろの方のページを開く。


そして、ひとりのラグビー部員を指差したのだ。


「あ、けっこうイケメン! ガタイもいいし、モロ私の好み!」


膨れていた留美子が、急にニコニコして、アルバムを食い入るように見つめた。


こういった変わり身の早さはさすがと言うか……。


「先生と同級生だったら、25歳だよね? 『カラダ探し』が終わったら、紹介してくれない?」


キャーキャーと煩い留美子を、ジッと見る八代先生。


そして……。









「その必要はないよ。だって、こいつはキミの目の前にいるんだからね」


その言葉に、「は?」と呟き、首を傾げる留美子。


「こいつは僕だ。高校時代にさせられた、『カラダ探し』の一月前のね」


八代先生の発言に、そこにいた誰もが驚きの色を隠せずに、目を見開いて先生を見つめた。


「ちょっと! 嘘でしょ!? え? これがどうやったら、こんなになるわけ!? たった1ヶ月で!」


先生を前に、ずいぶんひどい事を言っていると思いながら、私も同意見だった。


痩せた、というよりも、衰弱したと言った方が良い。