ノートに書き留めた歌詞を見ていた理恵と翔太も、その叫びに留美子を見る。


「怖がらせるなんてとんでもない! 僕はキミ達に協力しているだけじゃないか!」


「信用できないっての! じゃあ何で、先生は『カラダ探し』の事を知ってるのよ! それの説明もまだだよね!?」


こうなってしまったら、先生は留美子を納得させるような答えを用意しなければならない。


じゃなければ、八代先生にさらに暴言を吐きかねない。


「僕自身、あまり言いたくはない事なんだけどね」


そう言いながら、八代先生は机に戻った。


そして、机の引き出しの中に入れてあった、一冊の卒業アルバムを取り出したのだ。


「これを見てくれないか?」


八代先生が、そう言って私達に見せたのは、高校の卒業アルバム。


図書室で見た物と同じ、うちの学校の物だ。


「まず、これが僕だね?」


八代先生が指差した人物の名前は、「八代友和」と書かれていて、ギョロッとした目に、やせこけた顔に間違いはない。


「うん、先生ですね。でも、これがどうかしたんですか?」


今と、さほど変わらないその顔に、私は納得してうなずいた。