そんなの、自分で見れば良いじゃん!


何で私が見なきゃいけないのよ!


そう思いながらも、チラリと後ろを見ると……。





遥が、無表情で私達の後を追いかけて来ていたのだ。


「来てる……来てるよ!」


「嘘でしょ!? じゃあ……私は突き当たりを右に行くから、あんたは左行って!」


歩いている生徒を避けながら、遥に追いつかれないように必死に走る。


そして、留美子の言う通り、私は右に曲がって、すぐにあるトイレに駆け込んだ。


どこでも良い……とにかくどこかに隠れたい。


その一心で、一番手前のドアを開けてその中に入って鍵をかけた。


心臓がバクバク言ってる……どうして私がこんな目にあわなきゃいけないのだろう。


どうか……どうか、留美子の方に行ってくれますように。


そう……必死に祈っていた。




だけど……。






キュッ。






キュッ。






上履きが、廊下で擦れる音が……トイレの前で止まった。