パラパラとページをめくりながら、それらしい書き込みがない事に気づいた翔太がたずねる。


「歌か。それなら、キミ達の方が詳しいんじゃないのか?まさに今、『カラダ探し』に巻き込まれているキミ達の方が」


「誰か、わからないか?」


翔太と八代先生が私達を見る。


なんだか、期待されているような視線を向けられると、逆にわかると言いにくい。


でも、何かがわかるなら……。


「わ、私……わかるけど」


「じゃあ、書き留めるから唄ってくれないか? 歌詞を言うだけでもいいから」


そう言い、翔太はボールペンを取り出した。


「えー、本当に言うの? あんまり良い気分しないんだけど」


なんて言いながらも、私は思い出しながら「赤い人」の歌を唄ってみた。


「あ~かい ふ~くをくださいな~し~ろい ふ~くもあかくする~まっかにまっかにそめあげて~お顔もお手てもまっかっか~髪の毛も足もまっかっか~どうしてどうしてあかくする~どうしてどうしてあかくなる~お手てをちぎってあかくする~からだをちぎってあかくなる~あしをちぎってもあかくなる~あかがつまったそのせなか~
わたしはつかんであかをだす~まっかなふくになりたいな~……だと思うけど」