「ところで、皆はどの部屋を探したんだ? 探す部屋がダブったら、時間の無駄だろ?」


そう言い、ポケットから取り出したメモ帳にボールペンを走らせる翔太。


そして、皆がおのおの探した部屋を言っていく。


誰かが話す度、徐々に探していない部屋が浮かび上がってくる。


結果……残っている部分は、東棟の会議室と、二階部分の南側二部屋と、三階は不明、西棟の保健室を除く一階。


生徒玄関の二階にある大職員室。


後は工業棟の一階と、生産棟の理科室と音楽室以外のすべての部屋。


思ったよりも、探していない部屋は多かった。


今夜の「カラダ探し」で、各々探す場所を決めた後、私達は放課後になるのを待っていた。


高広と私は工業棟の一階を、留美子と理恵、翔太は生産棟の三階を。


健司の事は、詳しくわかるまで放置するしかない。


高広が殺されたくらいだ、放置して良いのかどうかはわからないけど、何が起こってるかわからなければ、手の打ちようがないのだ。


結局、私達だけでは答えなど出せず、八代先生が知っている事を話してくれれば、その答えを導き出せるかもしれない。


そう信じて、17時になるまで玄関前のホールで話をしていた。