八代先生にきけば、健司がどうしてあんな風になってしまったのか……わかると思ったのに。


先生でさえも知らない事があるなんて、予想もしていなかった。


それは、先生も想定していなかったという事なのか、本当に知らないのかはわからない。


とにかく、17時になればわかる……。


私達は、それを待つしかないのだ。


結局、今日の八代先生からは、何も聞き出す事ができなかった。


それでも、放課後に会う事を約束してくれたのは、今まで以上の進歩だ。

でも、本当に八代先生は、健司の異変について何も知らないのだろうか?


温室をのぞいて、職員室に戻った八代先生の表情は、決して良いものではなかったから。


それが気になっていた。


「ふぅ……これでやっと、『呪い』の事がわかりそうだな」


私達は、「昨日」と同じように屋上に戻り、話をしていた。


「『呪い』か。そのせいで、健司が変わったってのか? 遥が、あんな風になったのは『呪い』のせいなのか?」


高広の言葉に、私は漠然とした不安を覚えた。