そう叫んだ後、まだ倒れたままの翔太に、私は遥の左脚を差し出した。
きっと……留美子は、奥の教室で振り返って、「赤い人」を翔太から引きはがしたのだ。
校内放送が流れたのは、図書室前の廊下が西棟と東棟の間にあるからだろう。
翔太が叫んだように、私達の誰かが左脚を運べば良かったのかもしれない。
けれど、留美子は翔太に運べと言って、自分が犠牲になった。
なぜそんな事をしたのかはわからない。
それは、「昨日」に戻ってから聞くとして、今はこの左脚を運ぶ事が先決だ。
「ほら、翔太! ここまでやったんだから、最後まで意地を通して! 留美子が助けてくれたんだから!」
起き上がる翔太に左脚を手渡す。
それを受けとると、翔太は小さくうなずいて、西棟の階段へと向かって走り出した。
「理恵、私達は東棟から玄関前のホールに向かうよ!」
「わ、わかった……」
理恵の返事を確認して、渡り廊下を東棟に向かって走り出す。
これで、「赤い人」を見たのは3人。
でも、音楽室で感じた恐怖はあまり感じなかった。
翔太がカラダを見つけた事がうれしくて……。
きっと……留美子は、奥の教室で振り返って、「赤い人」を翔太から引きはがしたのだ。
校内放送が流れたのは、図書室前の廊下が西棟と東棟の間にあるからだろう。
翔太が叫んだように、私達の誰かが左脚を運べば良かったのかもしれない。
けれど、留美子は翔太に運べと言って、自分が犠牲になった。
なぜそんな事をしたのかはわからない。
それは、「昨日」に戻ってから聞くとして、今はこの左脚を運ぶ事が先決だ。
「ほら、翔太! ここまでやったんだから、最後まで意地を通して! 留美子が助けてくれたんだから!」
起き上がる翔太に左脚を手渡す。
それを受けとると、翔太は小さくうなずいて、西棟の階段へと向かって走り出した。
「理恵、私達は東棟から玄関前のホールに向かうよ!」
「わ、わかった……」
理恵の返事を確認して、渡り廊下を東棟に向かって走り出す。
これで、「赤い人」を見たのは3人。
でも、音楽室で感じた恐怖はあまり感じなかった。
翔太がカラダを見つけた事がうれしくて……。