私がそう思ったと同時に、廊下に飛び出した留美子。


その声の聞こえた方に、走り出したのだ。


「ちょっと! 留美子!」


突然駆け出した留美子の後を、私と理恵が追いかけた。


今の翔太の声は、近くじゃない。廊下の奥の方。


そこに近づくにつれ、私の耳に聞こえて来るあの歌……。


「……をちぎってあかくなる~あしをちぎってもあかくなる~」


もう、歌もかなり終わりに近づいている。


このままじゃあ、間違いなく翔太は死ぬ。


でも、翔太なら振りほどけるはずなのに……何か、あったのだろうか。


その歌は廊下の奥、奇しくも、私達が向かっていた図書室の方から聞こえていたのだ。


西棟へと続く、西棟の南側の廊下に足を踏み入れた私達は……その光景に震えた。


床に倒れる翔太の背中にしがみ付いて、不気味に微笑む「赤い人」。


その翔太の前には……人の脚が置かれていたのだ。


「留美子!? これを持って行け! 図書室で見つけた!」


そう叫び、必死の形相で脚を指差す翔太。








「あかがつまったそのせなか~わたしはつかんであかをだす~」