けれど、それは昨日聞いた内容で、先生に注意される人も、その内容もまったく同じ。


違う事と言えば、私達6人は、これから先、日が変わるまでに何が起こるかを知っているという事。


そして……遥が、すでに昨日死んでいるであろうという事。


教壇の前、クラスの真ん中で、一番前に座っている遥の後ろ姿は、どの席にいても目に入ってしまう。


「気持ち悪い……」


遥とは友達だけど、あんな事があったら、普通に接する事なんて、とてもじゃないけどできるはずがない。


今の私にとっては、遥も「赤い人」も、変わらず恐怖の対象でしかないのだから。


なんだか……私達6人が、違う世界にでも迷いこんでしまったかのようで、周りのすべてが違うもののように思えてしまう。


昨日とまったく変わらない授業風景。


居眠りをしている生徒が、先生に教科書で叩かれる所まで、寸分違わず繰り返される。


よく私は、「明日が来なければ良いのに」という言葉を口にしていたけれど、本当に明日にならないのは不気味に感じる。


昼休みが終わる頃に、遥が私の所に来る。


この教室で「カラダ探し」を頼まれたわけだから、その時にここにいなければ、もしかすると頼まれないかもしれない。