正直、そんな話は聞きたくなかった。


「カラダ探し」を終わらせた後も、学校生活を送らなければならない私達は、知らない方が幸せだったかもしれない。


「高広! 今日はしっかりそいつを抑えててよ! もう殺されるのは嫌だからね!」


留美子の言葉に、「おう」と、高広が返事をしたその後に……玄関のドアが、ゆっくりと開いた。


高広に、健司の事を任せて、私達は「昨日」と同じ、音楽室へと走った。


西棟の二階で翔太と別れ、生産棟に向かう渡り廊下に出る。


「校内放送が流れる前に、音楽室に行こうと思ったけどさ……校内放送を聞いてから移動した方が良かったかな?」


留美子がそう言う間にも、生産棟に入って、すぐそこにある階段に差しかかった。


「わかんない。最初の校内放送が、生産棟の三階だったら嫌だよね……」


理恵、そういう死亡フラグ立てるのやめてくれないかな……。


大体、そんな事を口に出してしまうと、本当に現れちゃうんだから。


そんな事を思いながら到着した生産棟の三階。


後は突き当たりまで一直線に走ればいいだけだ。


「もう、それは運だよね……放送室の中の人が、『赤い人』をどこに移動させるか」


なるべくなら、ここから遠い場所に現れてほしい。